雑記

思いつくまますらすらと。ただし乱文です。

冴えない奴こそ気をつけろ!その2

前回の記事から丸ひと月空いてしまいました。ここしばらくは少し忙しかったのでサボってました。というか読んで下さる方がいてビックリw

それでは前回の続きを。


駅構内で兄を待っていた私。

すると背後から、聞き慣れた声とともに肩を叩かれました。すぐさま振り向くと、そこには奴がいました。

そう、ヤスです。

しかしヤスはいつもと違いました。普段漫画喫茶の店員として働くヤスしか知らなかったのですが、前述の通り彼はちょっとヴィジュアル系じみた印象を持たせる格好をしていました。

傷みに痛んだシルバー色の髪にピアスだらけの耳、そして漫画喫茶の制服。

それが今はプライベート仕様なのか定かではありませんが、完全にヴィジュアル系のような格好をしていました。足元はポックリみたいなクソ厚底のラバーソール。更に驚くべきことに彼は化粧まで施していました。そのアイラインどうやったらそんなにぼかせるんだよと観察しながらも私は思いました。勘弁してくれよ!と…。

呆気にとられている私に構わず、ヤスはポックリをゴスゴス鳴らしながら近寄って来ました。心なしか怒っているようです。

言葉はほとんどこんな感じで交わしていたと覚えています。インパクト強かったので。


「久しぶりだね。てかメール来てないんだけど、ブッチ?

「すみません、忙しくって。今は待ち合わせなので失礼します!」


ヤスは私みたいなデブスにコケにされたのが面白くなかったようで、語気に怒りを孕んでいました。

そんなの知ったこっちゃありません。忙しさと待ち合わせを理由に話を適当に切りながら場所を変えようと歩き出したところ、ヤスが通せんぼしてきました。なんだこいつSPかよ!


「じゃあ今メアド交換しよーよ!そのケータイ赤外線使えるよね。でさ、もし良かったらこれからライブ来てよ。チケット1500円」

「」


道を塞いできたばかりか、ナナメ上の提案をナイスアイデア!とばかりにドヤ顔で言い放つ彼に対し、私は混乱するとともに無性に腹が立ちました。なんでこいつは自分の要求ばかり通すのだと。

しかもヤスがマジもんのバンドマンだとは思わなかったので、ライブに来いと言われるのは全く想像していませんでした。

これ以上関わり合いになるのは避けたいので、断る事にしました。


「申し訳ないけどライブに興味がありません。それとメアド交換も無理です。ごめんなさい」


この一言が死亡フラグでした。

どうやらヤスの逆鱗に触れたもようで、彼は俺はボーカルをやってるんだ!ファック隊だっているんだぞ!などといったニュアンスの言葉を怒鳴り散らしたおかげかちょっとしたオーディエンスが私とヤスを囲んでいました。まさにミニライブです。余談ですがこの後しばらくしてファック隊の意味を知りました。しょうもねえw

どうしたもんかと考えながら早く兄が来ないか携帯をチェックすると、しばらく遅れるとメールが入っていました。ジーザス、なんてこった。

一刻もその場から離れたかった私は、こいつと一緒にいるよりは雨に濡れるほうが遥かにマシだと思い、少し離れた場所へ向かって兄に連絡しました。待ち合わせ場所を駅前から変更して、駅の近くの駐車場がある公園にしてほしい旨を伝えて切り、雨の中を向かいました。

ですが、事態はまだ終わりを迎えていませんでした。

駅から公園までは歩きで五分もしない場所にありますが、途中で信号が二つあります。

その一つ目の信号を渡ろうとした時、背後から怒鳴り声が聞こえました。待てよ!か待てゴラ!だったと思います。

恐る恐る振り向くと、いたのはヤス…いえ、もうオバケじみていました。雨に濡れたおかげでセットした髪は崩れ、化粧が溶けていました。

ていうか本気でビビりました。


続きます。多分次で終わり!