冴えない奴こそ気をつけろ!その1
今回は前後編に分けて過去の自分の体験談を書いてみようと思います。
これは美人でもなんでもない、ただのデブスが思いもよらぬピンチに陥った時の話です。
当時私は高校卒業したての18歳でした。
ここで身バレしない程度に私の容姿について触れますが、当時の私はまん丸としたデブでぽっちゃりなんていう可愛いものではなく、本当に森三中の大島さんの体型に激近の体型というね。
さて、そんなデブこと私は働きながらもある趣味がありました。
それは仕事終わりに地元の駅のそばにある漫画喫茶にて漫画を読み漁ること。今でもたまに行きます(別の場所ですが)
だいたいその駅に着くのが夕方の18時頃。そこから入店し、帰るのはだいたい20時か21時くらい。
ほぼ決まった時間に入っていたので対応する店員もだいたい同じ人なのか、私が入店した時にはいつもいるちょっとヴィジュアル系が入ったレギュラーバイトとおぼしき男性店員は次第に私に話しかけてくるようになりました。
彼の名は仮にヤスにしておきましょうか。これには理由があります。ちなみに年齢は私の二つ上。
私とヤスは徐々にではありますがポツポツと会話を交わすようになりました。
初めは他愛のない天気の話から電車の運行状況などありふれた会話だったのですが、ある日お会計を済ませた時、ヤスからお釣りとともに小さな紙を渡されました。
「店を出たら見てね」
今までもヤスはお釣りを渡す時など馬鹿丁寧に両手を包んで来る時があったものの、他のものを渡して来たのは初めてでした。
ハァ、と気の抜けた返事をしたのもつかの間、何が書いてあるのかと確かめてみたところ、そこにはヤスの携帯番号とメアドが。
そして小さく、こう書いてありました。
「好きです。俺と一緒になって下さい」
店から出てその一文が目に入った瞬間、ゾッとしました。
だってヤスとはイチ店員とイチ客の関係であって、断じて恋愛関係は無いのです。いかに私が通っていたとは言え、せいぜい週に1〜2度。
ここで私はひとつの仮定にたどり着きます。
こいつ、ヤリ目だろ!と。
当時交際経験は一人しかいなかったものの、なんとなく肌で感じました。
だって客観的に見てデブスなんて、よっぽどの物好きじゃないと食いつかないと思うんですよ。やせ過ぎも太り過ぎも忌避すると思うし。
それに私は以前、ヤスとお喋りしていた時にヤンジャンのグラビア(多分若槻千夏か誰かだった)を指差しながら「俺このコめっちゃタイプ」とかのたまっているのを見聞きしています。
若槻千夏と私、全然違うじゃねえかww馬鹿野郎www
そう頭に浮かんだ途端ものすごく冷めて、その漫画喫茶に行く気が失せた私は通うのを止める事にしました。
いずれにせよトラブルの火種は早めに消すのが良いと思っていたので、そこからは素通りして帰宅する日々が続きます。
二週間ほど経ち、仕事終わりに豪雨に遭遇してしまった私は、傘を忘れて右往左往しておりました。
なんせ売店の傘は売り切れてしまい、タクシーも大盛況。
頼んで迎えに来てくれないかと期待を寄せ、試しに兄の携帯に電話したところ運良く兄も仕事帰りで駅前を通るというので拾ってくれるとのこと。
あと10分で着くから駅前で待っててと言われたので、駅構内で待つことに。
後半へ続きます。